用語集

B型肝炎

ウィルス性肝炎には、A型からG型まで7種類があります。B型肝炎は、その中の一種です。

B型肝炎は、輸血や適切な処理がなされていない血液製剤、消毒が不十分な注射器その他の医療器具の使用から感染することが多いとされています。

劇症肝炎

肝炎に感染しても肝臓は高い再生能力を有しているため、修復機構が働いて肝細胞が再生し、通常は、直ちに致命傷となることはないとされています。ところが、一部の症例では、肝細胞の大部分が破壊されて、時に死に至ることがあります。

このような重篤な症例を劇症肝炎と呼んでいます。B型肝炎は、肝炎の中で劇症肝炎の発生率が高い型であるとされています。

持続感染

成人がB型肝炎に感染しても、大部分は、後遺症なく治癒するとされています。ところが、6歳以下のこどもが感染した場合には、免疫機構が十分に発達していないため、ウイルスを体から排除することができず、感染が持続する場合があります。これを持続感染と呼んでいます。

肝硬変

肝細胞が破壊されて線維化し、肝臓が硬くなってしまった状態をいいます。肝炎は、肝細胞が炎症を引き起こしている状態であり、回復させることが可能ですが、線維化してしまった肝細胞は回復することはありません。

肝臓がん
(肝炎に起因するものについて)

肝臓がんには様々な原因がありますが、肝炎が原因となって肝硬変が生じると細胞が癌化し易い状態となり、肝臓がんを併発する場合があります。

不幸にして肝硬変となってしまった場合、肝臓がんを併発しないようにするため、健康には禁酒その他の最大限の配慮をする必要があります。

母子感染

B型肝炎に感染し、抗原が陽性である母親から出生した子は、産道での血液への曝露等により、高確率でB型肝炎に感染します。これを母子感染といいます。

かつて、母子感染は、日本におけるB型肝炎感染原因の大半を占めていましたが、昭和61年以降、B型肝炎免疫グロブリン・B型肝炎ワクチン投与等の感染防止措置が講じられたことにより、現在では、母子感染はほとんど見られなくなりました。

なお、B型肝炎給付金を受給することができるのは、予防接種でB型肝炎に感染した母親から母子感染した子です。予防接種以外の原因でB型肝炎に感染した母親から母子感染した子は、B型肝炎給付金を受領することはできません。

インターフェロン

肝炎に有効な抗ウイルス薬です。肝炎の型及びジェノタイプの型によって、効果に差があります。

ジェノタイプ

B型肝炎ウイルスには、遺伝子型式にいくつかの分類があり、これをジェノタイプとよんでいます。

B型肝炎ジェノタイプには、A~Iの9タイプがあります。ジェノタイプAは慢性化しやすいが(10%程度)、インターフェロンが有効である。ジェノタイプBは、比較的慢性化しにくく、肝臓がんも起こしにくい。ジェノタイプCは、慢性化しにくいものの、慢性化してしまうとインターフェロンの効果が低く、肝硬変や肝臓がんに進行しやすいなど、各型ごとに特徴があります。

日本人に最も多いB型肝炎ジェノタイプは、ジェノタイプBでB型肝炎の約85%を占めます。

サブジェノタイプ

詳細に分析するとB型肝炎ウイルスにはジェノタイプよりも更に細かな区分があり、それぞれ病態が異なります。この分類をサブジェノタイプと呼んでいます。予防接種によって、B型肝炎に感染したことを立証するために、サブジェノタイプの解析が必要となる場合もあります。

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